日別アーカイブ: 2021年3月31日

仕事ができるためのリハビリ

  退院するための目標は
  病気をする前の状態
  日常生活に戻るということです。

  そのために
  起きる、歩くにはじまり
  着替える、食べる、排泄をする
  お風呂に入るなど
  日常生活を自力で過ごすことを目指します。

  ただ
  そのことができただけでは
  人間として
  満足に生きていける訳ではありません。

  生きていくためには
  仕事もしたり
  自分の趣味をもって
  生きていく糧を得ないといけません。

  ですから
  リハビリ中は 
  常に退院後の生活を頭に置いて
  計画をたてて行います。

  実際は
  細かい計画を練って下さったのは
  作業療法士の先生方です。

  いつも
  診療内容について聞かれます。
  パソコンを打ったり
  注射をしたり
  健診などの診察方法など
  できるように
  指導して下さるのです

  あるときは
  抱っこができる
  赤ちゃんのお人形をもって来て下さって
  実際の患者さんの思って
  診察してみて下さい。
  と言われシュミレーションして下さいました。

  今の機能で診療はできるのですが
  人形と違うのは
  動くし、重さも違うので
  お人形におもりを一杯担がせたり
  あるときは
  リハビリ師の先生に寝てもらって
  実際に引き起こし検査などもしました。

  こんなリハビリをしてる患者さんは
  これまでいなかったのでしょう
  何をやってるのかと
  注目の的でした。

  でも
  お人形準備して下さったり
  様々な準備をして下さっておかげで
  退院してから、現在まで
  やるべきことはできているので
  リハビリの先生方には感謝です。

  自分の残された機能を伸ばして
  できることを更にできるようにしていく。
  リハビリは、小児科医の僕にとって
  それはまるで
  今までずっと寝ていた赤ちゃんが
  首が座り、お座りができて
  立って、歩き出す・・・などという
  発達の段階を
  かみしめながら成長を確認する
  勉強の時間でもありました。

  こどものように
  スムーズに発達を獲得することはできませんが
  こどもたちは
  物は言いませんが
  こんな気持ちでこの時期を過ごしていたんだと
  こども目線で考えることができました。

  この時の経験が
  今の小児科医として
  病気をする前と比べて
  こどもたちの、患者さんの気持ちに
  寄り添えることができたからだと思います。

  これも
  入院中僕をご指導いただいた
  先生、看護師さん、リハビリ師さん他
  スタッフさんのおかげです。

  一年経った今でも
  変わらず感謝しております

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