医師頭①

僕にとって
入院した期間は
これまでずっと医師として働いて
染みついていた考え方を
見つめ直す時間になりました。

ひと言で言えば
患者さん目線で
医療を見ることができました。

医者は
コンピューターばかりみて
患者さんの顔ばかりみている
という批判はよく耳にして
気をつけないと思っていたのですが
患者さん側にたつと
医療が患者さん目線でなく
医療者側で見ていること
感じる場面がありました。

入院した当時は
告白するのは恥ずかしい話ですが
ひとりでは歩くことも
それどころか
立つことすら
自分ひとりでできず
トイレに行くにも
ひとりでは行けない。
トイレに行くときは
看護師さんをよばないといけません。
昼間は頻回に病室に来ていただけるので
その時にタイミングを逃さないように
看護師さんにトイレのお願いがしました。
でも、夜は
看護師さんの数も少ないので
呼ぶ・・・というのは憚れます。
看護師さんは
「遠慮なく、呼んで下さい」と
仰るのですが
実際はナースコールを押すのは
中々勇気のいることでした。

これもお恥ずかしいお話ですが
排泄の心配をしなくてもいいように
おむつを着けさせられました。
「おむつしてるから、大丈夫ですから」と
言われましたが
とてもとても、おむつをしてるから
その中で赤ちゃんののように
排泄できるものではありません。

でも、その時救われたのが
「トイレは大丈夫ですか?
いつよんでもいいですからね」という
僕のトイレの苦痛を取り除いてくれるような
言葉かけ。
いわゆる
おむつしてるから大丈夫というとことではく
患者さん目線に立った言葉かけに
僕は救われました。

もちろん
ナースコールを押すのには
勇気はいりましたが
僕の気持ちがわかってくれていると思うと
SOSのコールを発しやすくなりました。

忙しい医療の現場で
みんなに効率よい医療を提供しようとすると
医療中心の考えになりがちです。

僕は入院して改めようと思いました
医師目線の医師頭を
気づかせてくれた入院中の一コマでした。

他にも
医師頭を気づかされる体験をしました。
それを少しずつこれから紹介しようと思います。

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