日別アーカイブ: 2020年12月23日

長寿も生命力のおかげ② 後編

12/18のブログの続きです。
  今後の父の行方に
  不安を抱えながらも
  きっと退院することは
  いいことだと決めて迎えた時退院日。

  父と2ヶ月ぶりに会いました
  とても不安でした。
  父が父であるのか?
  最低でも、僕をわかって欲しいの思い
  緊張して、父をまちました。

  父が車椅子にのって現れました。
  入院時より、顔色も赤みがさして良好です。
  そして
  はっきり僕がいたことに安心したように
  笑顔で方えてくれて
  今から帰ることもちゃんと理解してました。

  部屋に入ると
  ヘルパーさんにも笑顔をみせ
  そして母との再会。
  二人顔を合わせたとき
  二人とも指さして呼びかけるだけでした。
  言葉もなにもないです。
  でも、僕は感じたんです。
  二人が指をさし合ったときに
  二人のあいだに、
  二人しかわからないような絆がまたむすばれたことが。
  
  これで 
  父ももっと元気になれると
  ほっとしたのですが
  病魔はまだ父にとりついてたんですね

  数日たって
  ヘルパーさんが
  父が何も食べないんです、水分はとるんですが・・
  と報告あり。
  人は老衰になると食事をとらなくなるので
  もしかして死に支度なのか・・・
  どうしようもないのか・・・・
  
  父に聞きました
  「食事食べんの?」と

  すると
  「あれだけ今まで食べたのに
   今は食べれん
   食べんといけんと思っても
   食べられんのじゃ。
   でも、お茶が美味しい。
   それと
   デイで入ったお風呂が気持ちよかった」と
  話してくれました。

  父は死に支度をしてるわけじゃなく
  生きようとしてることを感じました。
  父はいまの状態を
  嫌な病気だなと言ってました。

  まさに
  退院してもまだまだ
  病気と闘っているのです。
  頭の中で、こころの中で
  魂で病気と闘っているのです。

  この病気に
  薬も手術もありません。
  ただ、本人の魂を支えるしかありません。
  それに対して
  僕が思いついてできることは、
  ただひとつ。
  父の生命力回復するのをまちました。

  入院する前には
  さみしがり屋の父は
  一日1回は電話をかけてきました。
  それが、父の元気であることのサインであり
  入院してからは
  電話ももちろんかかってきません。
  安否確認の手段もなく
  悶々として過ごしてましたが

  そんな時、僕の携帯に
  父からの電話の着信がありました。
  悪い知らせか・・・とかけ直すと
  「金がないから、お金を持ってきてくれ」
  と以前のように
  力強い口調で話す父。
  「何か買うと?」
  「買いたい物があるわけじゃないけど」
  「ごはんは食べてるん?」
 
 「当たり前に食べてる」と応える父。

  電話で話す父の様子は
  入院前の父と全くおなじ。
  ヘルパーさんに聞くと
  ごはんも食べるし
  母のことを気にしたり
  ちょっとせわしさも取り戻したことを
  ちょっと苦笑いしながら話してくれた。

  入院前の状態に戻ってくれた。
  父の生命力が回復したのを実感。
  生命力が上がれば
  食欲も出て
  自分で生きようとすることが
  リハビリになっていることを
  父をみて思った。

  どんな状況
  例え病気のときでも
  病院にいることはいいことではない。
  早く今までの生活をすることが
  生命力を回復することだと思った。

  今の時代
  ZOOMなどを利用して
  仕事をするなど
  働き方も変わる転換期になっています。

  それは、医療にもいえるのでしょう。
  これからは
  オンラインを使いながら
  在宅でも治療する方向に進んでいく気がします。
  当院でも
  来年1月から、オンライン診療をはじめます。
  これも、何か意味のあることかもしれません。

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