原始反射

初めての赤ちゃんの健診の時
よくからだをびくつかせるんですけど
大丈夫でしょうか?と言われます。

神経が過敏なんだろうか?と思いながら診察すると
どこも異常がありません。

そして、診察の時に
ベットで寝ている赤ちゃんの背中と首をさ支えながら上体を持ち上げて
急にパッと離すと・・・
赤ちゃんはびっくりしたような顔して
両手で何かにしがみつくようなしぐさをします。

「お母さん、この動きを言ってるのですか?」
「先生、これです。これです。大丈夫ですか?」
「これは、モロー反射と言って、赤ちゃんに見られる原始反射で正常ですよ。」と
お答えすると、パッと明るくなった表情になられます。

そこで、今日は
赤ちゃんにだけにみられる原始反射にあわてないようにです。

原始反射は、
生まれた時にすでに持っている正常の反射

①音に対して驚く反射(モロー反射)
②口に何か触れるとおっぱいを吸うしぐさをする反射(吸啜反射)
③手のひらや足の指を刺激すると掴もうとする反射(把握反射)

生きるために必要な反射です。

そして脳や中枢神経がだんだん成熟していくと
だんだんこれらの原始反射は消えていき
4か月児には、ほとんど原始反射は消えてしまいます。

その後は
心と体の発達に伴って
興味あるものに手を伸ばす→寝返り→ハイハイ→つかまり立ち→つたい歩き
のように発達していきます。

1か月健診、3,4か月健診で
これらの原始反射をチェックし
中枢系の発達、成熟の評価をしています。

これらの原始反射は生きるため
ひょっとして
人間の祖先がまだ、木の上で生活していた時代
木の上から落ちないように小枝につかっまた時の名残の運動かもしれません。
人間にも進化の過程はあったはず。
地球上に生命が誕生して35億年になると言われています。
その期間を
胎児の280日間で、何億年かかった進化の過程をたどって
赤ちゃんは生まれたことを
きっと原始反射は教えてくれているのかもしれません。

そして原始反射は
お父さんが、赤ちゃんの手を触れば手を握り
お母さんのおっぱいを飲むことを拒まないように
お父さん、お母さんに愛されるため、生きていくための反射のような気がします。

原始反射は
親子の絆を結ぶために必要な気がします。
だから
原始反射にあわてないで
その時期をしっかり楽しんでくださいね。

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