日別アーカイブ: 2023年7月4日

死ぬまで医師として生きる

僕の使命のひとつは
医師として生きること。
それも肉体が朽ち果てる最後の瞬間まで
医師として生きていたいと思っています。

でも人生何が起こるかわからない
いつ命を蝕まれる事態に陥るかもしれない
もし、その様なときに
どう生きるか・・・・気になるところ

そんな時に
大阪府の済生会吹田病院元院長であられた
内野滋先生の
癌を患いながら、医師として生き抜いたという
お話を知ったのでここに書き留めておこうと思います。

御自身が膀胱癌に罹患していると知ったとき
次のように語っています。

「私は膀胱癌をした。が
これは医師にとって勲章だと思っています。
病気をすることによって、
患者さんのつらさというものが
よくわかったからです。
また、自分はどなたがなくなった後で
ゴルフの話をしているような医者には
なりたくありません。
そして、死亡診断書を書くとき
心から合掌しながら書くような医者で
ありたいと思っています」

この言葉に
医師として患者さんのいのちに
人生を捧げる決意が言葉からわかります。

先生は、膀胱癌と診断されたとき
膀胱を摘出し
人工膀胱を体外にぶら下げる不自由を
我慢すれば、膀胱癌は根治できるが
医者として働くこと
医師としての義務、使命を果たせなくなる。
その時、先生は根治術を選択せず
医師として生きる道を選ばれたのです。

先生は、
根治術をしない代わりに
尿管から膀胱鏡と電気メスを入れ
癌腫瘍を焼く焼灼術を選ばれました。
この治療は、激しい痛みを伴う治療であり
苦痛が伴う物で
診断された後30年間の間に
90回以上行われたと聞いています。

そして
治療は自院ではなく
他の病院で行われたので
患者さんだけでなく、病院のスタッフも
知らなかったようです。

先生は
医師として生きるために
「文字通り生身を切り裂かれる」激痛に耐え
戻ってきては患者の治療にあったていたようです。

この医師として生きた内野先生の生き方
頭が下がります。
僕も医師としている同じ道を歩む者として
先生の生き方をお手本にして
生きて行こうと思います。

先生はどんなお気持ちで
この困難と立ち向かったのでしょうか?
直接お伺いすることはできませんが

先生の最後の言葉は
「人に尽くせ、人に尽くせ」
「ありがとう、ありがとう」
だったようです。

実際にお会いしたことはないけど
目を閉じると
先生の姿が浮かんできます。

先生の生き方お手本に
僕も生きさせて下さい

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