日別アーカイブ: 2025年8月12日

久方のひかりのどけき春の日に(お盆期間中も診療します)

久方のひかりのどけき春の日に
しづこころなく花の散るらむ

この和歌は
紀貫之の有名な和歌です。
この歌を読み解くことで
日本人が大切にしてきた
本意がわかるのです。

「久方の」は光の枕詞で
とこしえのという意味があります。
すなわち、光は
この世界とは別のもうひとつの世界から
やってくると感じていたのでしょう。

「しづこころ」は「静心」とも書き
花は一般的に桜を示しますが
桜は言葉は語らないけれど
だからといって語るべきことがないわけではない。
ただ語れないのか、
桜の言葉を我々がわからないだけなのだ。

日本人が桜を愛する理由は
単に美しいからだけでなく
その散り方に死に方、亡き者の姿を感じたのでしょう。
桜の花を見て
肉体がなくなっても、
姿を変えて存在し続ける「生きている死者」を
感じていたのかもしれません。

そのことを紀貫之は歌ったのです。

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言葉はハートで話す(お盆期間中も診療しています)

言葉はハートでするもの
外国暮らしが長いビジネスマンの方が
次のような話しをしていた。

「流ちょうな英語で説明した時には
無反応だけど
相手がわかるはずのない
日本語で話した時でも
何かが伝わる」というのです。

言葉というものは
聞いた時、頭で理解するのではなく
意味としてはわからない「音」であったとしても
その人が母国語で
何か一生懸命話してくれている
この人は私のことを思っていると伝わるのです。

音の高さや低さや流れなどの
気配を感じて言うのです。

大切なのは
言葉そのものではなく
伝えたいというハートなのです。

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