何を食べるよりも伝えたいこと

以前参加した
小児科医会のセミナー
「こどもの食環境、職場環境」での話

赤ちゃんを育てる時に
多くの人を悩ますのが
離乳食をどう進めるか?
何を、どんな風に
食べさせるか
試行錯誤の毎日だと思います。

離乳食と言う字をみると
母乳(ミルク)依存からの脱却
というイメージを持ちますが
実は
海外での離乳食は補完食なんです。
つまり
母乳では足りないもの
例えば
エネルギー、タンパク質、鉄などを補うのが
本来の離乳食の役割

だから、欧米では
母乳を
2歳以上になるまで、
頻繁にほしがるままにあたえています。

離乳食は植物性食品に最初は偏りがちだから
タンパク質が不足になりやすくなります。
タンパク質を補うために
肉や魚、卵も与えてもいいし
ビタミン不足になりがちなので
果物、野菜も食べさせてもいい。
おかゆも重湯ではなくて
5分粥からはじめても問題ないと
海外では報告されています。

母子手帳には
細かいことが書いています。
離乳食をはじめる時は
「なめらかにすりつぶす」と書いてるけど
なめらかでなく、スプーンでつぶせる程度でいいんです。

新しい食品をはじめる時は、一さじずつ与える
と書いているけど
2さじ与えるのはいつから?
食べやすくした脂肪の少ない肉類と
書いてるけど、
脂肪分の少ない肉は硬くないかな?
離乳食って、毎回内容を変えた方がいい?
などなど
読めば読むほど
考えれば考えるほど
次から次に疑問があふれて
前に進めなくなることもあります。

また
現代のお母さんの
食生活、ライフスタイルも様々。

ごはんをうまく炊けないお母さん
お味噌汁を作れないお母さんも
いないわけではありません。

そんなお母さんの
疑問にどう答えるか?
どう指導するのか?

決まり事を伝えるだけでなく
ひとりひとりにあった説明を
する必要がでてきています

何事も
顔を見て話し
向き合うことが大切。
離乳食のことで
何よりも伝えたいことは
何をどう食べさせるかというより
赤ちゃんにとって
食べることは楽しいということ
お母さんにとっては
食べてもらえてうれしいということを
感じてもらうことが大事なんだと
思います。

食べることを喜び
食べられることに感謝することを
忘れなければ
細かなことは少々気にしなくていい。
そんなことを感じた
小児科医会のセミナーでした。

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