日別アーカイブ: 2025年11月12日

進路指導②

医者になる道を
選択したものの
本当に心に描いたような医者になれるか
自信がなかったのでしょう
今とちがう形で
夢を描いていました。

医者には
患者さんを診る医者と
研究する医学者という道があります。

当時
僕には姉が生化学の研究者である方と
結婚することが決まっており
将来有望な医学者として
期待され、近々アメリカへ留学される
予定の彼であり
時々、医者についての話を聞くことがありました。

義理の兄となる人の
後ろ姿を診ながら
そうか、研究者という道がある
そうすれば、世界を股にかけた仕事で
人を助けられるんだ。

そうだ
留学して、癌についての研究をしよう。
そんな医者になろうと決意し
受験勉強に取り組んでいました。

でも、理科的発想ができないのに僕が
世界を渡り歩きたい
そんな医者になる道を選び
それが科学者というのも
今考えている理想とした医師像から
少しピントが外れた選択だったんです。

そういえば
理科系でも難関と言われる医学部に
文科系人間の僕が挑むと決めたのは
医者は理科系頭は必要ない。
人の心も考えないといけない
生き方も、倫理観、そして哲学、宗教感も必要
受験に理科系科目が必要なだけで
医者は理科系頭じゃなくても
できるからと思ったから理科系を選んだんです。

理系に言っても
僕の進む道は、医者になっても
世界を渡り歩きたいと思っていた夢は
その時点で持ち続けていたんですね。

医学者として
世界で活躍する医者になろうと決心したのですが
僕はなぜか
臨床医になるのは
夢の夢と思ってたのでしょう。
ひと言でいうなら
サラリーマン家庭でもなれる
医者の道を歩くことを決めたんですね。

まだまだ迷いの多い決断でしたが
魂もこの決心にちょっとほっとしていたのでは?

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先輩医師の死

知らせは突然だった。
メールが届いた時には
忘れられない名前なのに
本当に先輩の名前なのか
わからなくなるぐらい
混乱していた自分がいた。

最後にあったのは
昨年春の小児科学会。
お昼のセッションで偶々出会い
一緒に昼食を摂ったのが最後だった。

研修医時代に
新生児医療に対して
文字通り一から教えていただいた
先輩医師。

その指導は
厳しくも、やさしさもあり
いつも僕を信じて指導してくれた。

最後にお会いした時も
そのお人柄は
当時とは全く変わらなかった。

その先輩が、もういない。

その先輩の死が信じられず
生きている証を捜そうと
HPを訪問した。

すると、そこには最後のお知らせが。
そこには病気療養のため
今週末でしばらく休診すると。

そして
休診予告の日が
亡くなった日だった。
亡くなる直前まで
病と戦いながら
こどもたちの診療に当たっていたのだ。

文字通り
いのちの削りながら
過ごされていたのだ。

その生き様を知って
僕にこのように最後まで
小児科医として生きていくことを
教えて下さった先輩医師。

本当に大きなことを
教えて下さった先輩。
ありがとうございます。

ご冥福をお祈り申し上げます
合掌

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かぜ

朝晩冷えていくと
咳、鼻水、熱と風邪ひきさんの受診が増えます。
誰でも知ってる風邪という病気。
でも、風邪というどんな病気なのがわかりにくいです。

今日は正しく風邪を理解していただけば
あわてなくていいかもです。
そこで、今日は風邪についてお話しします。

こどもはよく風邪をひきます。
年に5,6回はひくともいわれています。

よくある病名なので
くしゃみ、鼻水、のどの痛み、咳、熱、頭痛、だるい、食欲がない
などの症状があると
誰もが、あら、風邪ひいたかな?と思います。

でも
この症状って風邪に特有な症状ではありません。
なぜ、どうしてすぐ風邪と思ってしまうのでしょうか?

風邪の正式には
”風邪症候群”という病名です

症候群というのは
様々な原因で似た症状が泡われて、
大体同じような経過をたどる病気をまとめて
症候群と言います。

原因は様々でも、症状は同じ病気のことだと言えます。

風邪の原因の8~9割以上は
インフルエンザ、パラインフルエンザウイルス、RSウイルス、アデノウイルス
ライノウイルス、エコーウイルスなど代表的なものでもこんなにありますが
その他にも多数あり
原因となるウイルスは400種類以上もあると言われます。

ですから
風邪は何度もひくということになります。

残りの1割は
最近、マイコプラズマ、クラミジアなどが原因です。

赤ちゃんや保育園に行き始めたおこさんが
良く風邪をひいてしまうのは

これまでに、風邪のウイルスにさらされなかったこと
集団生活で
こども達自身が様々な風邪のウイルスを持ち込むことで
何度も、風邪をひいてしまうことになります。

風邪は、ほとんどがウイルスが原因なので
細菌に対する薬である抗生剤は
ウイルスには効きません。
ウイルスを直接やっつけることはできないので
咳、鼻汁、熱などの症状を和らげる治療が中心になります。

風邪の特効薬がないのは
こういう理由です。

こども達はすぐ風邪をもらってしまいます。

風邪のウイルスは
鼻、のど、気管支の粘膜で増えます。
そして、増えたウイルスが
くしゃみ、痰、咳、鼻汁にのって体の外に広がります。
抵抗力が落ちていると
感染した後に、またウイルスが増えて
症状を出してしまうことになるのです。

ですから
日頃から抵抗力をつけておくことが大事です。

特に冬は
気温が低く、乾燥しているので
風邪のウイルスは活発に活動し
身体が冷えると、呼吸器系の粘膜も血の巡りがわるくなり
抵抗力が落ちてしまいます。

日頃から
食事や水分を十分を摂ること
寒さに負けない体力作り
が大切になります。

またウイルスは
鼻水のついた指、ハンカチ、便などからうつるので
うがい、手洗いは
とても大切なことです。

風邪は
何度もひいて、強くなっていくもの。
風邪をひいたことに
一喜一憂せず
日頃からの体力作り、生活習慣が大切なのかもしれません。

 

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