人は意味不明のものを怖れる

人はあらゆるものに意味を見出そうとする。
だから、診察時
症状について尋ねた時
知りたいのは、ただ咳があるか、熱があるかなどの
症状のあるなしを尋ねるだけで
答えに困る質問ではないはずなのに・・・・
患者さんは表情を曇らせて
「乾燥したから咳が出ます」
「夜厚着をしたので熱が出たのでしょう」と
症状がなぜ出たのかの推測を教えてくれる。

でもその思いが
少々その先の診療を困難にさせる。
原因は、これから一緒に考えたいのに
答え合わせのつもりで僕の話を聞いている。

そんな姿を見ると
「人間は意味がわからないものに対する恐怖を描く」という
言葉を思い出す。

そう、必死で今どうしてこんなに苦しい原因を
捜している。
その思いに決して科学的ではないことが多い。
そして自分の作り上げたストーリーから
なかなか離れられなくなる。

こどもはわからないことをわからないと言えるから
一緒に原因を考えることができる。

患者さんのいうことに
もちろん正解もあるから
僕も患者さんの話に耳を傾けないといけないけど
僕も一緒に病気と闘いたいと思ってることを
信じて
僕の話も聞いて欲しいと思うことがある。

カテゴリー: 今日の言葉 パーマリンク