日別アーカイブ: 2025年5月9日

時の流れを感じる時

以前入院していた時は
日曜日もなく
毎日、曜日は関係なく
リハビリに取り組みました。
機能回復に重要な時期に
休みなくリハビリに励めたのは
とても有り難いことでした。

でも
ある意味、それは
同じ毎日の繰り返し
今日が何日であっても、何曜日であっても
関係ないのです。
有り難いことだけど
曜日関係を意識しないでいると
時の流れに鈍感になります。

まだまだ認知症の進む年齢でなくても
意識しないと
わからなくなりそう。

病院も
できるだけ季節感を感じてもらおうという
配慮から何でしょう
節分、ひな祭り、バレンタインの時には
まめ、桜餅、チョコのババロアなど
その行事を感じることができる
食事が出てきます。
また
日曜日の朝だけパンがでるのです。
季節を感じる食事をとれることは大事
もっと広くいえば
旬の物を食べることって
からだにとっていいだけでなく
心にも大事なことなんですね。

でも、日々今日を感じるために
個人でも努力することは大事です。
僕は
自由時間には
必ず新聞を読むことを欠かさずしました。
1面からテレビ欄までじっくり
今の世の中の動きを想像しながら
呼んでいきました。

そして、テレビのニュースも
その当時
プリンスダイヤモンド号での
コロナウイルスのニュースばかりで
日常とはかけ離れたこと
そして
今もそうですが
感染者数がどうだと・・・
報道される内容やコメントは
いつも同じだということに気がついたんです。

そんな時
朝起きたら、カーテンを開けて
外を見渡しました。
僕の病室からは
視線に入ってくる人工物は
道、電線以外はありません。

僕の目の前に広がる世界は
毎日違う光景なんです。
予想しない太陽の光が織りなす
刻々と変化する
空の色、雲の形
植物の戻りの色、そして鳥が飛んできて
みせてくれる風景は
一瞬たりとも同じ光景はありません。

昨日見た風景、おととい見た風景とも
明らかにちがう光景。

テレビや、スマホではぜったい感じられない
最高のエンターティメントに
心奪われ
時間が過ぎていくのも忘れて
ずっと窓の外を見ていました。

自然は刻々と変化している
昨日と同じ今日はないことを
教えてくれています。

これは自然の中だけの話ではなく
自然の一部である僕自身も
昨日と違う僕なんだということに気がつきました。

だから
今日も新たな自分に感謝して
一歩一歩歩いていけるんだということに
気がつきました。

入院中の身であっても
今日生きている、
昨日と違う自分で生きられることを
教えてくれた入院生活でした。
そして
退院した今もそのことは続いています。

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「この世に私のものは一つもない 」

たった今、コンクラーベが終わり
新しい教皇が決まったようです。
そんな時
前フランシスコ教皇が最後に残された手紙の存在を知りました。
温かい言葉を残されたことに
とても感謝しています。

温かい世界になることを願い
フランシスコ前教皇の手紙を紹介します。

「この世に私のものは一つもない 」― フランシスコ教皇 ―

この世の
すべての愛する子どもたちへ。

私は今日、
この人生を通り過ぎる者として、
小さな告白を
一つ遺したいと思います。

毎日、顔を洗い、
身だしなみを整え、
鏡の前に立って生きてきました。
その姿が「私」だと
信じていました。
しかし、振り返れば、
それはただの、
一時的にまとう衣でした。

私たちはこの身体のために、
時間を使い、
お金を使い、
愛情と情熱を注ぎます。
美しくありたい。
老いたくない。
病気になりたくない。
そして……
死にたくないと願いながら。

ですが、
結局この身体は、
私の願いにかかわらず、
太り、
病み、
老い、
そして、
静かに私から
離れていきます。

この世で、
本当に「私のもの」と呼べるものは、
一つもありません。

愛する人も、
子どもも、
友人も、
そしてこの肉体さえも。
すべては、
雲のように、
一時的に留まるだけの存在です。

憎い縁も、
美しい縁も、
すべては
私に与えられた
人生の一部でした。

だから、
避けられないなら
抱きしめてください。

誰かがしなければならないことなら、
「私が先に」
そう思って
取り組んでください。

無理やりではなく、
喜びの心で。
やらなければならないことがあるなら、
先延ばしせず、
今日、今すぐに行いましょう。

あなたの前にいる人に、
あなたのすべての心を
注いでください。

泣けば、
解決するでしょうか。
怒れば、
良くなるでしょうか。
争えば、
勝てるでしょうか。
この世の出来事は、
すべて、
それぞれの流れに従っています。

私たちができるのは、
その流れの中で
少しの余白を与えることです。
少しの譲り合い。
少しの思いやり。
少しの控えめさ。
それが、
誰かにとって
温かな息抜きとなります。
そして、
その温もりが、
世界を再び
包み込む力となるのです。

今、
私は旅立つ準備をしながら、
この言葉を
遺したいと思います。

「本当に、
ありがとう。」
私の人生に
触れてくれた
すべての人々へ。
すべての縁へ。
そして、
この美しい世界へ。

「私と縁を結んでくれたすべての人々に、
心から感謝します。」
静かに振り返ると、
この人生は、
感謝に満ちた
奇跡のような旅でした。
どうか、
あなたの人生にも、
このような静かな奇跡が
訪れますように。
心から
お祈りしながら、
この手紙を終えます。

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