守命者として

九州大学大医学部第二外科の前原喜彦教授が
退官されました。

前原教授の最終講演で
同教室訓だという「一に人格、二に学問」を引用され
「人格を磨き、社会に貢献する外科医へという思いで取り組んでいた」
と述べらました。

おっしゃる通り
教授就任以来、約15年間で
お弟子さんが26人も教授に就任されているそうです。
そして
医療人としての生涯振り返られ
医療人の生涯をたるもの
「人類への奉仕の生涯」
「自分への厳しさが求められる生涯」
「休むことのない生涯」
の3つで表現され
「医療人は労働者でもあり経営者でもあるが、
『守命者=命の番人』としての自覚と社会的な認識が必要」
と説かました。

人間医師として
あるべき姿は
平安時代に書かれた
日本で最古の医学書「医心方」にも
すでにこのように書かれています。

「医師が患者さんの治療に当たるときは
心静かに、精神統一し
何かを欲したり、求めるのではなく
患者さんをただ慈しみ、いたわる心で
命あるものを心から救いたいと
念じなければならない。

病気の人に救いを求められたら
誰でも同じように
親が子を思うように接しなければならない。
患者さんの苦悩をみれば
自分のことのように悲しみ
救いを求められれば
どんなに疲れていても
空腹や喉が渇いても
我がことを忘れ
一心に患者さんことを考え
自分の利益や名誉を考えてはならない。」
(医心方 現代訳より)

医療人として、命の番人としての
日本古来からずっと引き継がれ
これから後進のために
伝えていかなければならない
大切な心構えだと思います。

そして
最終講演の最後に
前原先生はスライドに
教授就任以来教室に在籍された
教室員全ての名前を流し
謝辞を述べられたそうです。

実は
前原教授とは
専門外なので、全く面識はないのだけれど
医師として、
どんな時にも忘れてはならない大切なことを
伝えてくれたことに感謝です。

これからの医者人生
守命者として更に精進することを
ここに誓いたいと思います。

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